奄美大島のお正月に食べる「三献(さんごん)」

奄美大島

クリスマスも終わり、もう年末。お正月準備にも忙しくなる時期ですね。

奄美でも地域によって異なることもありますが、奄美大島のお正月の料理をご紹介いたします。

奄美大島のお正月料理

本島では、お正月といえば「おせち料理」を食べるというのが一般的ですが、
奄美ではおせち料理を作る家庭は少なく、多くの家庭が元旦に「三献(さんごん)」を作ります。
島外の方は知らない方が多いと思うので簡単に説明します。

三献(さんごん)は全部で三種類の料理から構成されており、

■一の膳・・・お吸い物
■二の膳・・・お刺身
■三の膳・・・お吸い物

なんと汁物が二つあるんです!!家庭でも異なりますが、
一の膳では出汁はかつお出汁、出汁昆布を使ったしょうゆ味、
三の膳では豚や鶏などの肉の出汁です。

 

一の膳

 

三の膳

また、お料理の出し方も、一の膳を食べ終わったあとに二の膳が振舞われ、
二の膳を食べ終えると、三の膳が振舞われます。

一つの料理を食べ終わったあとに、次の料理がでてくる。これも独特な風習ですよね。

豚骨とつばしゃ(つわぶき)の煮物

また、それぞれの膳が振舞われる前に、家長が黒糖焼酎を一献ずつ計三回振る舞うことから
「三献」と呼ばれているという説もあるそうです。

 

子どもやお酒を飲めない人は下の器にこぼしたり、頭につけたりするそうです。

一の膳の前に、塩、さきいか、昆布からなる 「シュームリ(塩盛)」 をいただいたり、
三の膳を食べ終わった後、 スルメまたはヒムン(干物)と呼ばれる焼き魚を食べます。
大晦日に食べる豚骨、各家庭、各シマでいろいろな 「三献」 の料理があります。

元旦は家族揃って、「三献(さんごん)」を食べる!!
奄美大島の素敵な文化です。